年輪
- 写真
2015
「Cerne / 年輪」は、過ぎ去った年の回数分、額に入れられ再撮されたモニュメントの写真のシリーズである。1枚目の写真が再撮されることで遺す抽象的な影は、私たちにコメモレイションとは何かということを考えさせる。何を思い起こすことが出来るであろうか。
”問題は、人々が写真をとおして記憶することではなく、写真のみ記憶することである”
- スーザン・ソンダク『他者の苦痛へのまなざし』-
このシリーズの初めの写真は、1945年8月6日、広島・原爆死没者慰霊碑に記されている碑文がタイトルとされている: “ 安らかに眠ってください 過ちは繰返しませぬから ”
写真装置に写されることで消されたメッセージは、複製により終わりなく変化し続ける。「写真」は表象の最大の可能性であると同時に、唯一の可能性である。記憶をとどめながら、流れに逆らいながら。
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旧日本銀行広島支店
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