手についた焦げ跡にふうっと息を吹いて飛ばす
  • 写真 30点木製パネル 
  • ビデオ 28分
  • 和紙
  • おみくじ
  • 主催 公益財団法人原爆の図丸木美術館
  • 助成 公益法人財団笹川日仏財団 公益財団法人野村財団
2021
第二次世界大戦中の空襲により被害を受けたにもかかわらず生き延びた東京の「戦災樹木」は現在約200本存在し、さらに戦災樹木と思われるが定かではない樹木が約150 本あると言われている(2019年の調査資料による)。広島、長崎の被爆樹木の様な認定制度が確立していないという理由や、その損傷を空襲の被害だと断定できる証言者がいなくなったという現状もあり、定かではない。 「手についた焦げ跡にふうっと息を吹いて飛ばす」展は、菊田真奈が64箇所の戦災樹木に会いに行く過程で経験した体験を元に、写真と映像、和紙、おみくじで構成される。 都内に現存する18本の戦災樹木の様子が展示される向かい側では、現在では消失した戦災樹木がかつて存在していた8箇所の場所の写真が展示される。100cmx100cmの2枚組の写真は展示のタイトルと同じ名前「手についた焦げ跡にふうっと息を吹いて飛ばす」が付けられている。映像では、空襲当時子供だった二名が、二人の小学生と、空襲について、あるいは悼むことについて話をする。当時子供だった二人は、民間人空襲被害者らを救済する法案の成立を訴える。二人の小学生は戦災樹木のイチョウの葉を拾い、和紙を制作する過程でその葉の痕跡を紙の表面に残そうと試みる。 戦災樹木の多くは境内に存在する。展示室の出入り口頭上には戦災樹木を巡る中で社寺で引いたおみくじが展示される。
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原爆の図丸木美術館
2016年8月1日
  • 写真
2016
2016年8月1日、パリ市はレピュブリック広場の像の清掃を開始した。 2015年のパリ同時多発テロ以降、度重なるテロに対して、花、鉛筆、写真、ろうそく、メッセージ、落書きなど、パリ市民はこのレピュブリック広場に供え続けていた。同時にこの広場はマニフェストの場にもなっていた。 清掃の間、作業員の安全のため、像の周りにバリケードが築かれた。時折、通行人が「なぜ清掃をするのか?」とバリケード越しに質問をしていた。 彼らは何を掃除するのだろうか。 記憶を消去することは可能だろうか。 私たちの記憶はどこにいくのだろうか。 あのテロから10年近くが経過した。これらのイメージは、私たちの忘却を思い出させる。
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