MNN 2023.13.1.1-2023.13.3.6
- 写真30点
- フォトグラム40点
- 助成 公益財団法人ポーラ美術振興財団
- 協力 ニセフォールニエプス美術館
2023
ニセフォール・ニエプス美術館(フランス)はアマチュア写真家によって寄贈された多くの家族写真を収蔵している。主に18世紀初頭から現代に至るまでの家族アルバム、ガラス板やポラロイド、小さなプリントから大きなフォーマットまで様々なイメージがコレクションされる。これらの写真は一度収蔵されると、美術館で永久的に保管される。ただし、提供されたすべての写真が収蔵されるわけではなく、コレクションディレクターにより選別される。
この作品は、写真が個人的な記憶から共有の財産へと変化する過程を追跡し、家族アルバムから美術館の収蔵庫に至る過程を描く。また寄贈されたにもかかわらず、美術館での選別に漏れ、ゴミ箱に捨てられた写真によって制作されたフォトグラムでは、死と忘却を囁く誰かの記憶の幽霊が浮かび上がる。
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彼女のスカーフ:光と不在のアーカイブ
- 写真 ルーメンプリント 30点
2025
本作は、被爆者であり日本女性史研究の先駆者・加納実紀代(1940–2019)の遺品を通して、彼女の思想に触れようとした試みである。
加納は、「他者、あるいは他国の人々を踏みつけにしない私たちの解放の方向をさぐるために」、戦時下の女性たちの歴史を掘り起こし、反天皇制、脱植民地主義、反原発運動へと歩みを広げた。
遺品のなかに残された数多くのスカーフ──肌に触れ、動きに寄り添い、日々の呼吸を静かに吸い込んだ布片たち。私はそれらをルーメンプリントという技法で光にさらし、時間のなかに痕跡を定着させた。
そこに浮かび上がる像は、朝陽のように静かに、炎のように揺らぎながら、加納が示した解放の方向を思索する手がかりとなる。
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第2三沢コーポ303